ラーメンが人と人をつなげる。
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公務員からラーメン店スタッフに転職してから4カ月半が経った。
当初は、仕事の内容や職場の環境にとまどったこともあったが、今ではずいぶん慣れ、わたしが入社する前からいたバイトの子や年齢の下の社員にも頼られることもあるくらいで、本当にいい職、自分に合った職に転職することができたなと思う。
実際、転職してからの方が生き生きしているね、と妻にも言われる。
さて、そんな4カ月半のラーメン店での仕事では、すべてが新しい経験ばかりである。その中でも、とても印象的である、「ラーメンが人と人をつなげる」ということについて記録しておきたい。
ラーメンを通して人と人が新しい出会ったり、つながりをもつようになったり、それを強くしたり。こんな場面には、4カ月半の間に何度も遭遇した。
〇〇店長はまだこの店にいる?
今日は〇〇くんは休み?
めんおうくん、おれの好みの味、もう覚えてくれたの!?ありがとう、これからも楽しみにしてるからね!!
××さん今日いますか?オレ、2年前までこの店で働いてたんですよ。
こんなやり取りのある場面にいると、ラーメンってすごいなぁ。と心から思えるし、こういう空間を「店を、ラーメンを作る側」として共にできることを誇りに思える。
仕事を通して人をしあわせにするってこういうことなんだな、と心底感動する。
今日もこのようなことがあった。
週一くらいで来る常連さん(変な意味じゃなくてかわいらしい女子高生)が店宛にメモを机の上に残して帰ったことだ。
そのメモには、「今日は完食できずにごめんなさい。今度は絶対に完食します」と書かれていた。これは、わたしが「何かラーメンの好みがあったら教えてくださいね」と個人的に聞いたことを受けてのことだろうと思う。
わたしの店では、注文を受ける際に、麺の硬さや味の濃さに好みがあるかどうかを聞くようにしているが、硬めや濃いめにも幅があるからだ。ほかの常連さんにも特別に注文を受けたことがあったので。
もしかしたら、わたしが聞いたことが、「今日は全部食べてませんね?」なんていう意味に取られていては残念極まりないが、わざわざメモを残していただいたことにスタッフ一同、感激した。
改めて、ラーメンってすごいなぁ、と思った瞬間だった。
もちろん上のようなやり取りは、顔を見知った常連さんとさせていただくことが多い。
しかし、一見さんでも、店を出ていかれる際に「ごちそうさま」と言っていただけることがほとんどだし、食べに来ていただいただけでもそれは「ラーメンが作ったつながり」である。
ある常連さんは、「出張で半年来れない」と言って、たくさんの差し入れを持ってきてくれた。こんなに店を大切にしてくれるお客様もいる。
わたしの一つの目標は、その常連さんが次に店に来るまでに店長試験に合格することだ。店長試験のことはご存じないだろうが、「次に会った時は一回り大きくなっていてね。楽しみにしてるから」とも言われた。
わたしは仲間と一緒に、このような人と人がつながるきっかけを頭で考え、この手で、体で、そして心で作っている。
こんな経験ができるのも、30代での転職に賛同してくれた家族の支えや、中途入社のわたしを育ててくれた職場のおかげだ。これがなければ今のわたしはいない。
この立場に立たせていただけることを家族に、職場に感謝しながら一日一日、一瞬一瞬を大切にしていい仕事をしていきたい。