めんおうブログ

主夫ライターの日々と、よりよく生きるためのちょっとしたコツなど。

飲食企業はブラックなのかどうか、考えてみた。(転職後17日目)

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入社後約3週間経つが、転職を検討していたときに妻が言っていたことを思い出したので、それについて最近思うことを関連させて記録したいと思います。

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本日の業務内容

【1月17日】

0815起床

1345~1445出勤

1500~2300サブ(休憩なし汗)

2315~0030帰宅

0300就寝予定

感じたこと

 

飲食企業は、きっとブラックだから、それだけが心配。

 

これは、わたしが転職を検討しているときに、よく妻から言われたことである。お金のことは、どのような仕事をしていても、必死にやればなんとかなるが、健康を害するのではないか、ということが心配であったわけである。

 

口では、やってみなければわからない、飲食はやりがいがある、自分は大丈夫だ、などと言っていたが、それが強がりでしかないことはわたし自身が一番よくわかっていた。わたしも心配に思っていたのである。ニュースでも、どこかの宅急便会社の従業員が被害にあったり、オリンピックに向けた工事で現場監督クラスの従業員が亡くなったりしていた。省で厳しい勤務をしてきた、とは言え、福利厚生は最高レベルであったし、残業があったにせよ、休みも基本的にはカレンダー通りであり、健康を害したことはなかった。その一方で、飲食業のイメージは、朝早くから仕込み、休憩なく深夜まで、、、というものであった。

 

そんなイメージがあり、体を壊すくらいならまた他へ転職してもいい、とも言われて転職したわたしであったが、新しくラーメン店に勤めて3週間が経過しようとしている今、ブラックなのかどうか、がわかってきたので、記録したい。(ただし、わたしが勤めている飲食企業に限った話なので了承いただきたい)

 

 

 

飲食企業がブラックかどうか、という問いに一言で答えると、ブラックに近いグレーという答えになると思う。それがどういうことかを、以下記録していく。

 

そもそも、ブラック企業とは何か、ということであるが、Wikipediaによると、以下のような定義になっている。

ブラック企業(ブラックきぎょう)またはブラック会社(ブラックがいしゃ)とは、広義としては暴力団などの反社会的団体との繋がりを持つなど違法行為を常態化させた会社を指し、狭義には新興産業において若者を大量に採用し、過重労働・違法労働・パワハラによって使いつぶし、次々と離職に追い込む成長大企業を指す[1]。「従業員の人権を踏みにじるような全ての行為を認識しつつも適切な対応をせずに放置している企業」との指摘もある[2] 

 

 

わたしの勤めているところは、暴力団等とのつながりはないだろうが、従業員の離職は多い、という現実がある。聞いた話であるが、新卒の方の同期は、入社時に15人いたが、現在は5人しか残っていないそうだ。「離職に追い込む成長大企業」というところに合致してしまうのかもしれない。

 

ただ、離職、というのは仕方のないところもあって、当初の労使契約の範囲内であっても、働いてみて、こんなつもりじゃ、となれば新卒の若い人たちは離職しやすいものである。本当にラーメンを伝えていくことに一生捧げようと強い意志を持っている人は、大学卒業したての若い人には少ないのが現実なのであろう。わたしだって、今でこそ人生で成し遂げたいこと、の方向性は持っているつもりであるが、大学卒業したてのころはそこまで考えていなかった。

 

 

 

 

 

さて、わたしは、上に「飲食企業はブラックに近いグレー」と言ったが、かみ砕いて言うと、ホワイトの部分もあるが、ブラックな部分が目立つ、ということである。実情がどうか、というと、ホワイトであろうという努力はしているが、ブラックにならざるを得ない現状をみなが認識しており、ブラック的勤務について暗黙の了解がある、ということである。幹部か、ヒラ社員か、バイトかによってそのブラック具合が違うので、以下に説明していく。

 

①経営幹部(地域マネージャー以上)

あまり労働時間のことを気にせずに働いているんだろうな、という印象である(わたしは現在ヒラ社員であり、雰囲気から想像するしかない)。経営幹部はみな、会社の立ち上げの時期からの仲間集団である。よって、労働時間が長かろうが何だろうが、会社が成長すること(=大好きなラーメンを伝えられること)を最高の生きがいにしているのであろう。経営幹部にとっては、勤務環境がブラックであったとしても、それをブラックであると感じてないはずである。

 

②店長クラス

このレベルの社員は、真っ黒である。わたしの直属の上司が店長であるので、現状がとてもよくわかる(ただ、店長の平均収入は省職員の幹部を超えている)。本人がきつい、やめたい、と思い始めたら続かないと思う。どのような状況かを説明する。そもそも、始業と終業の際は、社員、バイト問わずネット上のタイムカードで打刻することになっている。民間ってスゲー、と入社当初感動したものであるが、これは、終業時に打刻した際に、その日の労働時間、深夜労働時間、残業時間が一瞬で登録される、というものである。含み残業いくら、深夜は割増賃金、というような規則になっているので、それに該当する労働があった場合、即給与に反映される仕組みである。しかし、店長の隠れ残業が常態化しているのである(しかもその残業時間は相当なもので、店に泊まる、ということも店によっては、よくあること)。隠れ残業とは、残業を出さないように、勤務の事実とは違う打刻を自らする、というものである。これが常態化している(わたしの店だけではないだろう)。理由は、人材不足である。経営陣から求められる売り上げを得るほど店を回し続けるだけの従業員数がいないのである。店を回し続けるには、営業時間中は、2~3人が必要であるが、穴が多く出る。そのいない分を店長がカバーしないといけない状況が常態化している。しかも、店長が現場に入った分だけ、店長が頭を使ってすべき仕事の時間が取れなくなる。経営陣も現状について、わかっているはずだが、メスを入れようとはしないし、店長も自ら声を上げられない、という状況である。企業の成長に人材が追い付いていない現状があるにも関わらず、成長(店舗数の増加)を続けようとしている。このしわ寄せは、店長や社員に来ると思われる。

 

③ヒラ社員

ホワイトである。労使契約に反するようなことはない。隠れ残業を店長からお願いされ始めたらそれはもう、「終わり」だと思う。今のところ、契約通りの休日、休憩時間、まかないなどをもらえている(たまに休憩時間が取れなかったり、短くなることがある程度)。ちなみに、きつい仕事をやらされることをブラック、と表現することもあろうが、ここでは、そのように定義していない。あくまで、労使契約に反する勤務をせざるを得ない状況が常態化している場合をブラック、としたい。

 

④バイト

ホワイトである。ヒラ社員と同じで、契約外のことを強要されるようなことはない。そんなことをしたら、ただでさえ人手不足であるにもかかわらず、さらに人が集まらなくなる。

 

 

 

以上が、飲食企業の現状であるが、問題は、現場の状況を薄々感ずいているにもかかわらずメスを入れようとせず、急速な店舗展開を継続しようとしている経営陣にあると思う。店長が完全にブラックになっているのは、現場でできる努力を超えているからである。店長が効率化すれば、少しは改善の余地もあろうが、物理的にできる範囲を超えている。それが店長の隠れ残業につながっているのではないだろうか。企業のやろうとしていることのひずみが、現場責任者である店長の勤務環境に大きく影響しているのである。

 

 

 

 

 

わたしは、望んでその店長職に就きたい、と思っている。それを超えて、経営幹部になって、この現状を変えていきたいからである。企業の成長は、人材の成長なくしてはあり得ない。人材のない成長は、サービスの質の低下を招く。そして、継続できなくなるものである。

 

現場が疲弊しきっている店では、お客様が満足のいくサービスを提供できない。わたしは、勤めている企業のラーメンを愛しているので、そのようになってほしくない。

 

ブラックな部分が最近目に付くのに、どうしようもない現状がとてももどかしい最近である。